CMOSクリアは、BIOS標準設定値を読み込むのとは違います。
BIOS標準設定値の読み込みは、現在のBIOS設定を前提に標準設定を上書きしますが、
CMOSクリアでは、一旦すべての情報を失います。
つまり、BIOS標準設定値読み込みに比べ、CMOSクリアは抜本的で、失われる情報量も多いのです。
具体的に、BIOS標準設定値読み込みでは失われず、CMOSクリアでのみ失われる情報を挙げます。
- 日時
- メモリ容量
- 接続デバイス
現在時刻はもちろん、どういったハードディスクが接続されているのかも、一旦忘れてしまいます。
ちなみに、CMOSクリアはマザーボードに関する作業なので、
CMOSクリアを行ったからといって、ハードディスク内のデータが消去されるわけではありません。
CMOSクリアはBIOSの設定を完全にリセットするため、一部BIOSに関するトラブルを解消できます。
むしろ、その目的でCMOSクリアを行うことがほとんどです。
CMOSクリア方法 - その[1]
CMOSクリアは一般に手間がかかることが多いですが、
実は、CMOSの情報をクリアしてしまうソフトがあります。
名前は、「CmosPwd」。
詳細は下記ページにまとめてあります。
ただし、この手のツールの使用は、くれぐれも自己責任で。
「CmosPwd」が使える状態なら、「CmosPwd」を使ったほうが楽です。
「CmosPwd」が使える状態というのは、たとえば、
- Windowsの起動はできる
- Windowsは起動できなくても、CDやフロッピーからの起動はできる
ということです。
逆に、「CmosPwd」が使えない状態も考えられます。
- 起動時にパスワードの入力を求められ、一切の操作ができない
どうしようもありません。
このような場合は、別の方法をとるしかありません。
CMOSクリア方法 - その[2]
すごく原始的な方法ですが、間違いなくCMOSクリアできます。
コンセントを抜き、バッテリも外して、
パソコンへの電源供給を完全に断った後、CMOSバックアップ用のボタン電池を外します。
CMOSバックアップ用のボタン電池とは、
マザーボードにはめ込まれている、一般的なボタン電池のことです。
ボタン電池を外したからといって、すぐに放電されてCMOSクリアとなるわけではありません。
なので、ボタン電池を外した後、しばらく放置するか、
電池ホルダの+-電極間をボタン電池の側面でショートさせて、強制的に放電させます。
本当は、マザーボードにジャンパスイッチがあったりするんですが、
どこにジャンパがあるのか調べるのも面倒なので、このほうが手っ取り早いです。
デスクトップパソコンなら、まだ比較的楽な作業ですが、
ノートパソコンだと分解しにくいうえに、電池がはんだ付けされてたりするので、結構大変かもしれません。
ローテクですが、確実な方法です。
CMOSクリア後について
CMOSクリアに成功すると、日付から何から、BIOS設定がすべてふっ飛ぶので、
初回起動時にBIOSの再設定が必要になります。※BIOS自体がふっ飛ぶわけではありません。
逆に言うと、BIOSの再設定を要求する表示が出てくれば、成功ということです。
この際、ある程度のBIOS設定に関する知識が必要です。
むしろ、ここで必要になるのが、BIOS標準設定値の読み込みです。
つまり、
- CMOSクリア
- BIOS標準設定値の読み込み
という一連の手順によって復旧します。
一度BIOSが正しく設定されたら、次回以降は普通に起動します。
もし、毎回起動時に何か引っかかる場合は、BIOSの設定が正しくなされていない可能性が高いです。