レジストリとは、Windowsの設定をひとまとめにしたデータベースです。
設定項目の塊で、Windowsが動作するうえで欠かせないものです。
Windows自体の設定はもちろん、アプリケーションソフトウェアの設定、
インストールされたソフトウェアの情報も、レジストリで管理されています。
Windowsの設定を変更すると、レジストリが書き換えられます。
従って、Windowsを使っている限り、毎時毎分レジストリは書き換えられていきます。
たとえば、ウィンドウの位置ひとつとっても、レジストリに保存されているのです。
逆もまたしかりで、レジストリを書き換えると、Windowsの設定が変わります。
コントロールパネル等では変更できないWindowsの細かい設定も、
レジストリを直接書き換えることで実現可能です。
ただし、ユーザーが自由にレジストリを書き換えらるので、
それなりのリスクを伴います。
レジストリはWindowsの動作に必要不可欠なものなので、
レジストリに問題が発生すると、Windowsが不安定になったり、
最悪の場合、Windowsが起動できなくなります。
基本的に、レジストリはWindowsに任せておくべきです。
ユーザーがレジストリを直接操作する場合は、危険性が高いことを認識しておいてください。
レジストリと設定ファイルの違い
設定を保存するには、レジストリ以外にも、設定ファイルを使う方法があります。
レジストリと設定ファイル、それぞれにメリットとデメリットがあります。
ひとことで言うと、システム寄りなのがレジストリ、ユーザー寄りなのが設定ファイルです。
レジストリのメリット・デメリット
まず、レジストリは高速です。
Windowsが起動している限り、常に読み込まれているものだからです。
Windowsにとって最もアクセスしやすい設定情報は、レジストリです。
また、有料のソフトウェアは、ほぼすべてレジストリを使います。
ソフトウェアのライセンスを、Windowsにひもづけられるからです。
ライセンスを管理しようとすると、そうせざるを得ないというか。
ただし、良くも悪くも、設定に関する情報がひとまとめになっているので、
レジストリに問題が発生すると、Windowsごと不安定になる場合があります。
レジストリをクリーンな状態にするには、Windowsを再インストールするしかありません。
設定ファイルのメリット・デメリット
設定ファイル最大の長所は、環境の移行が容易なことです。
設定ファイルがプログラムフォルダに保存されている場合は、
フォルダごとコピーすれば、設定を維持したまま別のパソコンで使えたりします。
また、設定ファイルがユーザーフォルダに保存されている場合も、
設定ファイルをコピーすれば、設定をそのまま引き継げます。
設定上の問題が起きたとしても、影響するのはその設定ファイルを使っているソフトウェアだけです。
どうにもならなければ、設定ファイルを削除すれば、初期設定にリセットされます。
ただし、設定ファイルではシンプルなことしかできません。
たとえば、ライセンスの管理はできません。
このため、設定ファイルを使うのは、フリーウェアがほとんどです。
レジストリクリーナーについて
Windowsを使い続けていると、レジストリに設定情報のゴミが残ることがあります。
というか、ゴミが残るのが普通です。
Windowsは、レジストリに設定情報のゴミが残る前提で動いています。
レジストリに残っている不必要な設定情報、いわゆるゴミを取り除くために、
レジストリクリーナーと呼ばれるソフトウェアがあります。
「CCleaner」等が有名です。
でも、レジストリのゴミを削除したところで、Windowsの動作は改善しません。
不必要な設定情報は、結局使われていないからです。
少なくとも、「レジストリクリーナーを使ったら劇的に速くなった」なんて話は聞いたことがありません。
むしろ、Windowsの根幹であるレジストリを編集することで、不具合の原因になることがあります。
特に、Windowsが不安定になってからレジストリクリーナーを使うのは避けたほうがいいです。
より状況が悪化する可能性が高いです。
そもそも、Windowsが不安定になるのは、レジストリの情報に整合性がなくなっている場合が多いです。
そのような状態で、レジストリクリーナー任せにレジストリの最適化を図るのは、リスクが高すぎます。
レジストリは、極力Windows以外に操作させないほうがいいです。
レジストリキーは、設定ファイルに比べてデータサイズも小さいです。
不要なレジストリキーを削除すれば、「Cドライブ」の空き容量が増える、
なんてことはありません。
それでもレジストリクリーナーを使うというのであれば、止めはしませんが。
レジストリの変更
レジストリをユーザー側で直接操作しなければならない状況は、非常に限られます。
Windowsの細かいカスタマイズをしたい場合と、不具合からの復旧です。
特に重要なのは、Windowsに不具合が発生した場合の対処方法です。
レジストリの設定を個別に編集する場合は、「レジストリエディター」を使います。
一方、レジストリをまるごと元の状態に戻す場合は、「システムの復元」を使います。
それぞれにしかできないことがあるので、
「レジストリエディター」と「システムの復元」を使い分けることが重要です。