MBRディスクとGPTディスクでは、パーティションを管理する仕組みが違います。
パーティションに関する情報は、パーティションテーブルと呼ばれる領域に保存されています。
つまり、MBRディスクとGPTディスクでは、パーティションテーブルが違うのです。
そもそも、GPTディスクの「GPT」は、「GUIDパーティションテーブル」の略です。
これに伴う、MBRディスクとGPTディスクの主な違いを列挙します。
MBRディスク | GPTディスク | |
互換性 | ○ | △ ※WindowsはVista以降で対応。 |
UEFIブート | × | ○ |
領域の上限 | 2TiB | 事実上なし |
パーティションの数 | 最大4 | 最大128 |
互換性
MBRディスクとGPTディスクに、互換性はありません。
かつては、MBRディスクしか存在しませんでした。
従って、「ディスク」といえば、すべてMBRディスクでした。
GPTは比較的新しい仕組みのため、古いシステムはGPTディスクに対応していません。※「Windows XP」以前とか。
また、シンプルなシステムは、MBRディスクで運用されています。
GPTにするメリットがないからです。
USBメモリやSDカード等、汎用性が高く、容量もそれほど大きくない記憶装置は、
MBRディスクで使われていることが多いです。
UEFIブートへの対応
UEFIによる起動に対応するためには、GPTディスクでなければなりません。
Windowsが広くUEFIブートに対応し始めたのは、「Windows 8」からなので、
MBRディスク | 「Windows 7」以前のシステムディスク |
---|---|
GPTディスク | 「Windows 8」以降のシステムディスク |
である可能性が高いです。
特に、プリインストールされているWindowsでは、この傾向が強いです。
ただし、32/64bit版の違いや、
「Windows 8」以降でもMBRディスクを使い続けることは可能なので、
Windowsのバージョンで区別するのは、ちょっと乱暴かもしれません。
2TB以下の記憶装置でもシステムディスクがGPTなのは、
UEFIブートに対応するため、という理由が大きいです。
利用可能な領域の上限
実用面における大きな違いは、利用可能な領域の上限です。
MBRディスクでは、2TiBまでの領域しか扱うことができません。
従って、
MBRディスク | 2TB以下の記憶装置 |
---|---|
GPTディスク | 2TBを超える記憶装置 ※2TBは含みません。 |
で使われるのが一般的です。
ただし、2TB以下の記憶装置でも、GPTディスクで運用することは可能です。
3TB以上のハードディスクも、MBRディスクで使えないわけではありませんが、
扱えるのは2TiBまでの領域だけです。
作成できるパーティションの数
MBRディスクでは、パーティションテーブルの情報量に限りがあるため、
パーティションを4つまでしか作れないという制限があります。
ただし、ここでのパーティションは、プライマリパーティションと拡張パーティションを指します。
論理ドライブを使えば、MBRディスクでも5つ以上のパーティションを作成することは可能です。
一方、GPTディスクでは、GPTでパーティションを管理しているため、
特殊なことをしなくても、5つ以上のパーティションを作成できます。※最大128。
MBRディスクとGPTディスクの変換
MBRディスクとGPTディスクは、まったく違う仕組みでパーティションを管理しています。
これは、ドライブを作成する以前の問題で、
パーティションの前提が違うことを意味します。
従って、MBRディスクかGPTディスクかを決めるのは、パーティションを作成する前の段階です。
新品のハードディスクであれば、「ディスクの初期化」の際。
使用中のハードディスクであれば、パーティションをすべて削除した後に、
MBRディスクは「GPTディスクに変換」できます。
同様に、GPTディスクは「MBRディスクに変換」できます。
使用中のハードディスクを、後で変換することはできません。
パーティションを、一旦すべて削除する必要があります。
データを維持したまま、MBR/GPTディスクを変換できるツールもありますが、
イレギュラーな処理になります。
本来なら、パーティションの開始位置が変わるので、
大規模なデータの移動が必要になるはずだからです。
少なくとも、システムディスクに適用するのは避けたほうがいいと思います。(MBR2GPTとか)