ブルーライトカットメガネの比較と効果

Amazonで購入した3品

ブルーライトカットメガネ

ブルーライトカットメガネには、大きく分けて反射型と吸収型がありますが、
その他も様々な違いがあり、結局どれがいいのかわからなかったので、
個人的に気になった製品を購入し、その効果を比較してみました。

検証したのは、比較的入手しやすいエレコムの反射型エレコムの吸収型
さらに、Amazonで気になった「Shinin'eyes」の反射型の計3品。
反射型と吸収型の効果の違いを身をもって知りたかったのと、
無名メーカーでもいいものはいいのか、興味があったので。

実際に着用して使用し、定性的ではありますが、疲れ目に対する効果を比較します。

ブルーライトカットメガネの種類

ブルーライトカットメガネには、反射型と吸収型があります。
それぞれに、メリットとデメリットがあります。

反射型

レンズの表面にコーティングを施し、光を反射することで、透過光を減衰させるもの。
ブルーライトカットメガネだと、青っぽい光を反射します
反射した光の分だけ、透過光は減衰します。

レンズは無色透明なので、さほど違和感なく使えます。
ただし、レンズ内面も反射する製品が多いので、後方からの光が反射して目に入ります
環境によっては、映り込みのため白っぽく、まぶしく見えることがあります。

吸収型

レンズが光を吸収することで、透過光を減衰させるもの。
ブルーライトカットメガネだと、青い光を吸収するので、
レンズは茶色っぽくなります

レンズに色がついているので、サングラスっぽい見た目になります。
吸収率の高い製品では、視界が暗くなります
ただし、反射型レンズのような不快な映り込みはありません。

市販されているブルーライトカットメガネのほとんどは、反射型です。
職場で使っても違和感のないメガネである必要があるためだと思います。

エレコム ブルーライト対策メガネ(スタンダード) クリアレンズ

前面 - エレコム ブルーライトカットメガネ クリアレンズ

エレコム ブルーライト対策メガネ(スタンダード) クリアレンズ」。
つまり、反射型の標準的な製品です。
日本製です。

ぱっと見は普通のメガネに見えます。
でもよく見ると、レンズはうっすら黄色いです。
反射型ですが、青い光を反射する分だけ、透過光は黄色っぽくなります。
これは、すべてのブルーライトカットメガネに共通して言えることでもあります。

全体 - エレコム ブルーライトカットメガネ クリアレンズ

作りはしっかりしています
ただしその分、顔の横幅が広いと、こめかみが痛くなるかもしれません。
メガネ屋さんで購入するのとは違い、調整なしのフリーサイズですから。

重量は公称値19gに対して、当方での実測値は20.3g。
特別軽いわけでも重いわけでもなく、良くも悪くも普通のメガネです。

反射光 - エレコム ブルーライトカットメガネ クリアレンズ

レンズの反射光は、薄い紫色です。

グラフ - エレコム ブルーライトカットメガネ クリアレンズ

パッケージに載っていた透過光のグラフです。
ブルーライトカットと言いながら、青よりも波長の短い紫を主にカットするようです。
このため、メガネをかけた状態でも、色味がおかしいとは感じにくくなっています。
うっすらと黄色くはなりますが。

逆に言うと、ブルーライトカットの効果は控えめです。
このメガネをつけることで、目が楽になったのは確かですが、
長時間パソコンを使う人間からすると、気休め程度の効果しか感じられませんでした。

ただ、今回検証した3つのブルーライトカットメガネの中では、形状や性質が最も一般的なメガネに近いので、
場所を選ばずに使えると思います。
「スタンダード」と銘打っているとおり、
このメガネと似た特性を持つブルーライトカットメガネが最も多いです。

エレコム ブルーライト対策眼鏡「PC GLASSES」

前面 - エレコム ブルーライトカットメガネ ブラウンレンズ

エレコム ブルーライト対策眼鏡「PC GLASSES」」。
こちらも日本製です。

「ブルーライト超吸収タイプ」と銘打っているとおり、ブルーライトカット率は65%と、
ゲーミンググラスを除けば、エレコムではトップのブルーライトカット率です。

レンズは茶色
見た目は完全に、色の薄いサングラスです。

全体 - エレコム ブルーライトカットメガネ ブラウンレンズ

かなり特徴的な形をしているので、使う場所を選びそうです。
しかし、この形状のおかげで、装着感は非常にいいです。

つるの部分に柔軟性があり、かつ湾曲しているので、
頭との接触面積が広く、全体で支えている感じがします。
なんでも、TR-90という超弾性素材だそうです。
一般的なメガネのように、こめかみや耳の部分に力が集中する感じがしません。

重量は公称値16gに対して、実測値17.0g。
装着感がいいので、実際の重量よりも軽く感じます。

折り畳み - エレコム ブルーライトカットメガネ ブラウンレンズ

独特な形状なので、折り畳んでもコンパクトにはなりません
かなりの厚みがあります。
一般的なメガネケースには入らないと思っておいたほうがいいです。
一応、メガネ拭き兼用の収納ポーチが付いてきますが。

反射光 - エレコム ブルーライトカットメガネ ブラウンレンズ

このメガネは吸収型なので、白い光は白い光のまま反射されます。

グラフ - エレコム ブルーライトカットメガネ ブラウンレンズ

透過光のグラフです。
レンズの色が濃いだけあって、ブルーライトカットの能力も高いです。
視界も、当然茶色っぽくなります。

ここまで、見た目以外はいいことづくめでしたが、
実際に使用してみると、疲れ目に対する効果に関して気になる点が出てきました。

使い始めの頃は、ブルーライトがカットされて目が楽だと思っていました。
でも、このメガネを長時間使っていると、目の奥に刺すような痛みを感じるのです。
結局、疲れ目の軽減に寄与していないような気がして。

ブルーライトをカットしていることは間違いないのですが、
このメガネは他の可視光もかなり吸収します
可視光線透過率は、公称値で66%です。
その結果、全体的に暗くなります

人間の目は、周囲が暗くなると瞳孔を開いて、取り込む光の量を増やします。
つまり、メガネ単体の性能じゃなくて、
人間の目とあわせた光学系全体で考える必要があるのではないかと。

ブルーライトカットメガネ単体に関して言えば、
絶対的なブルーライトカット率ではなく、相対的なブルーライトカット率、
たとえば、「ブルーライトカット率」÷「可視光線透過率」とすれば、より実状に近くなると思います。

とはいえ、ブルーライトカットメガネは波長ごとの透過率が製品によって全然違うので、
単純にブルーライトカット率だけで比較すること自体がナンセンスなのかもしれません。

まとめると、見た目は独特だけど装着感はいい、
でもブルーライトカットメガネとしては、個人的には微妙でした。

Shinin'eyes ブルーライトカットメガネ

前面 - Shinin'eyes ブルーライトカットメガネ

Shinin'eyes ブルーライトカットメガネ」。
聞き慣れないメーカーで、おそらく中国製ですが、
Amazonで販売している商品の中では比較的評価が高いのと、
何より商品説明に納得感があったので、購入しました。
反射型で、エレコムのスタンダードタイプよりもカットする光の波長の範囲が広いのが特徴です。

レンズは黄色
反射型なので、見る角度によってレンズの色が変わって見えますが、
エレコムのスタンダードタイプと比べても、遠目で黄色いとわかるレベルです。
視界も全体的に黄色くなります。

前面 - Shinin'eyes ブルーライトカットメガネ

フレームは細いです。
また、エレコムの「PC GLASSES」と同様、TR-90という素材を使っていて、
フレーム全体に弾力性があります。

公称重量17gに対して、実測値は17.3g。
軽いです。

エレコムの「PC GLASSES」のように、機能に特化したデザインではないので、
メガネをかけている存在感はそれなりにありますが、
軽くて柔軟性があるので、かけ心地はいいほうです。

前面 - Shinin'eyes ブルーライトカットメガネ

レンズの反射光は、青色
むしろ、青緑といったほうが適切かもしれません。
反射光の分だけ透過光はカットされるので、ブルーライトカットの能力は高いと考えられます。

Shinin'eyes ブルーライトカットメガネ

透過光のグラフを見ても、緑色の500nmぐらいまでは透過率80%以下に抑えている一方、
黄色~赤の600nm以降は90%以上を透過しています。
このグラフがあったことが、このメガネを購入した最大の理由です。
透過光全体に対するブルーライトカット率は、今回検証した3品の中で最も高いです。

実際に着用しても、疲れ目に対して効果があると実感できます。
はっきりと、目が疲れくいです。
ここで挙げた3品の中では、最も効果があると感じました。
特に、目の奥の刺すような痛みが軽減されます。

その一方で、欠点がないわけもありません。
メガネの作りは値段相応です。
エレコムが採用している日本製メガネの品質が高すぎるというのもありますが、
汚れ、ヒンジの処理等は、それなりかなと思います。

これに関連して、ヒンジのネジがゆるみやすいです。
折りたたむことが多いと、知らない間にネジが外れて落ちていることがあります。
このメガネには、100均で売っている精密ドライバーが付いてきますが、
ネジの増し締め用と理解しました。

また、比較的反射率が高いメガネなので、
周囲が明るいと、後方からの光の反射によって、視界が白っぽくなります
目は疲れにくくなりますが、同時に対象物が見えにくくもなります。
特に、自発光のディスプレイ以外は。

ブルーライトカットメガネの必要性

最後にこんなことを書くのもなんですが、ブルーライトカットメガネを使うべきなのかどうか。

はっきり言って、裸眼が最も見やすいのは間違いないです。
ブルーライトカットメガネは、見やすくするものではなく、目が疲れないようにするためのものです。

ブルーライトカットメガネをかけると、多かれ少なかれ、本来の見え方とは異なります。
ブルーライトをカットするので、全体的に黄色っぽくなるのは当然として、
反射型では白っぽく、かすんだようになりますし、吸収型では暗くなります

でも、長時間ディスプレイを見続ける作業をすると、
ブルーライトカットメガネの有無で目の疲労感がまったく違うことを実感します。
程度の差こそあれ、どの製品でも、裸眼よりも目が疲れないのは確かでした。

そもそもブルーライトカットメガネが普及したのは、
ディスプレイのバックライトにLEDが使われ始めたことと関係があります
LEDバックライトでは、赤、緑、青の三色の発光ダイオードを組み合わせて白を表現しているため、
自然光に比べて、青色のピークが極めて強いのです。
従って、LEDの光を鋭く感じるのは、気のせいでもなんでもなく、
それなりに根拠のあることだと思います。

ただ、ブルーライトカットメガネは度付きのメガネと違って生活必需品ではありませんし、
使うかどうかは好きにしたらいいんじゃないかと思います。

個人的には、ブルーライトカットメガネによって目が疲れにくくなったと実感しているので、
最も効果があると感じた「Shinin'eyes」のブルーライトカットメガネを継続使用しています。