Operating System not found
ただそれだけの表示で、パソコンが動作停止します。
電源が入っているだけで、それ以上ハードディスク等にもアクセスしません。
ちなみに、「Operating System not found」は、BIOSによるエラー表示です。
従って、マザーボードのBIOSによって、同一症状でも表示内容が変わってきます。
たとえば、
- DISK BOOT FAILURE, INSERT SYSTEM DISK AND PRESS ENTER
- Invalid system disk
- Non-System disk or disk error
というのも同類です。
表示内容の意味を考えれば、どれも共通しているとわかると思います。
BIOSの違いによって表示させている文章が違うだけで、起こっていることは同じです。
つまり、「システムディスクが見つからない」ということ。
これは、Windowsとか関係ない話です。
「そこまで行けてねーよ」ということです。
セーフモードだろうがシステム回復オプションだろうが起動できません。
マザーボードのBIOSが、Windowsがインストールされているディスク自体を見失っているからです。
「Operating System not found」と表示される原因
「Operating System not found」とは、
文字通り、OS(Operating System)が見つからないというエラー表示です。
OSがインストールされている内蔵ハードディスクやSSDを見つけられないと言い換えることもできます。
OSとはほとんどの場合、Windowsのことです。
冒頭の類似エラー表示内容にあるシステムディスクというのも、OSがインストールされたディスクという意味です。
ちなみにディスクとは、ハードディスクやSSD等の記憶装置そのものを指します。
OSがインストールされているのはディスク内の特定のドライブじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、
もしそこまでの経路に問題がなければ、実は他のエラーが表示されます。
つまり、ハードディスクにアクセスする最初の段階でつまづいています。
仮にハードディスク内のプログラムが一部でも実行されているのであれば、
プログラムは固有のエラーを表示することもできますが、そうではないのです。
「Operating System not found」と表示される原因は、大きく分けて2通りです。
- 内蔵ハードディスクにアクセスしてない
- 内蔵ハードディスクのMBR異常
順に、それぞれについて説明していきます。
内蔵ハードディスクにアクセスしてない
そもそも、OSがインストールされている内蔵ハードディスクにアクセスしていなければ、
OSを見つけられるわけがありません。
他の記憶装置から起動している
昔のパソコンでは、フロッピーディスクドライブが標準装備されていたので、
フロッピーディスクを入れっぱなしの状態でパソコンを起動しても、
「Operating System not found」と表示されることがありました。
パソコンの電源が入ると、設定されている起動デバイスの優先順位に従って、BIOSはデバイスを読みに行きます。
フロッピーディスクドライブの起動優先順位は一般に高かったため、
起動ディスクではないフロッピーディスクが挿入されていると、そこで引っかかって処理が止まっていたのです。
USBメモリや外付けハードディスクでも同様の現象が発生しないわけではありません。
ただ、リムーバブルディスクの起動優先順位はそれほど高くないはずなので、
最近のパソコンでは、このような現象は少数派だと思われます。
ただ、内蔵ハードディスク以外の記憶装置とは接続を断って動作確認することが重要というのは、
今も昔も変わってないと思います。
BIOSの不具合
BIOSの設定が正しくなければ、起動すべきハードディスクを見つけることができないかもしれません。
でも、BIOS設定は通常、意図的に変えない限りは変わらないものです。
ただし、まれにBIOSが一時的なトラブルを抱えてしまうことがあります。
今まで正常に認識していたデバイスが突然認識できなくなったり、
設定されている起動優先順位のとおりに動作しなかったりします。
原因はバッテリーの劣化だったり、電気的なものが多いとは思いますが、よくわかりません。
そんなときは、まず電源リセットをしてみます。
コンセントからプラグを抜いて、1分ほど放置してから再度電源を入れます。
それだけで復旧することもあります。
また、BIOSの標準設定値を読み込ませると、復旧する場合があります。
困ったときは、とりあえずリセットしてみるという。
基本なんですけど、まずはそこから。
それでもダメな場合は、CMOSクリアを試してみます。
BIOSの設定保存元からリセットするということです。
物理的な不具合でない限りは、復旧の可能性があります。
内蔵ハードディスクのMBR異常
ハードディスクで最初にアクセスするのは、MBRです。
MBRには、
- ハードディスク内のパーティションがどのようになっているか
- どのパーティションから起動するか、つまりどのパーティションにOSがインストールされているのか
- OSを起動するためのプログラム
といった情報が含まれています。
だから、MBRに異常があるとOSが見つけられなくなってしまいます。
以下、MBRにおいて「Operating System not found」の原因になってしまいそうなことを書いていきます。
ブートシグネチャ
MBRを含むブートセクタには、最後の2バイトに16進数で「AA55」という記述があります。
これは、ブートシグネチャと呼ばれる署名です。
ブートシグネチャがあればブートセクタ、ブートシグネチャがなければブートセクタではないと判断されます。
つまり、MBRの最後2バイトが「AA55」でなかった場合、それはMBRではないとみなされ、
以降ハードディスクが読み込まれなくなります。
アクティブパーティション
OSがインストールされているハードディスクであれば、
MBRのパーティションテーブルで、必ずアクティブなパーティションが指定されているはずです。
アクティブなパーティションというのは、起動時に読み込むパーティションのことです。
その指示に従って、OSが起動するために必要なパーティション内のデータを読み込んで行きます。
アクティブなパーティションがなければ、起動すべきパーティションがないということになるので、
BIOSは「Operating System not found」と表示するしかありません。
MBRの問題であれば、ブートシグネチャ、アクティブパーティション共に、「TestDisk」で修正することが可能です。
リンク先のパーティションテーブルの修復と同じ手順で復旧できますが、
内蔵ハードディスクからは起動できないので、「Ultimate Boot CD」や「Windows PE」等を使って起動する必要があります。
物理障害について
前述のとおり、「Operating System not found」というのはBIOSレベルの話なので、
ハードディスクの故障であった場合には、重症である可能性が高いです。
というのも、それはハードディスクがBIOSに認識されていないことを意味するからです。
BIOSに認識されないというのは、ケーブル類の影響も考えられるので、
デスクトップパソコンで中身をいじった直後とかであれば、各種ケーブルの接続状態を確認してみるべきです。
でも、連続使用時に突然「Operating System not found」になって、原因が物理障害っぽいのであれば、
残念ながら個人レベルでの復旧は困難と言わざるをえません。