パーティションとは何か

必要だから存在する

パーティションとは、間仕切りのことです。
パソコン用語におけるパーティションは、
ハードディスクやSSD等の記憶装置に設けられた、データ上の間仕切りです。
パーティションによって、記憶装置内にデータの区画を作ることができます。

記憶装置には基本的にパーティションが存在し、
パーティションの中にデータを保存する
ようになっています。
領域が1つしかなくても、それはパーティションです。

パーティションがなくてもデータの読み書きはできますが、
パーティションはデータを管理する仕組みであるファイルシステムと密接に関係しているので、
データの管理を効率的に行うために、パーティションが必要なのです。

パーティションの確認

Windowsは、「ディスクの管理」というパーティション管理ツールを備えています。

ディスクの管理

「ディスクの管理」とは何か

エクスプローラには表示されないパーティションも、ここから確認することができます。
同様に、パーティションの操作もできます。

「パーティション」と「ボリューム」の違い

パーティションと似た概念に、「ボリューム」があります。
パーティションとボリュームの違いをひとことで言うと、

パーティション 物理的な領域
ボリューム 論理的な領域

です。

両方とも、ディスクに設けられた領域を表す単語です。
ただ、物理的な領域か、論理的な領域かの違いです。
ディスク内で区切られた物理的な領域が、パーティション。
ドライブを割り当てる論理的な領域が、ボリューム。

でも実際には、パーティションがそのままボリュームとして割り当てられていることがほとんどなので、
「パーティション」=「ボリューム」と捉えてもらっても差し支えありません。

逆に、パーティションとボリュームが一致しない例を挙げます。

不連続の領域が1つのシンプルボリューム - ダイナミックディスク

ダイナミックディスクでは、複数のパーティションが1つのボリュームとして扱われる場合があります。
上の画像では、「Eドライブ」のボリュームは3つのパーティションにまたがっており、
「Fドライブ」のボリュームは2つのパーティションで構成されています。

シンプルボリュームでさえそうなので、言うまでもなく、
スパンボリューム、ストライプボリューム、ミラーボリューム、RAID-5ボリュームでは、
複数のパーティションを1つのボリュームとして扱います。

ただし、記憶装置は基本的にベーシックディスクで運用されているはずなので、
パーティションとボリュームが1対1の対応にならない、このようなケースは稀だと思います。

パーティションの種類

パーティションには、いくつかの種類があります。
具体的には、

です。

ただし、現在ではほとんどがプライマリパーティションです。
というのも、拡張パーティションと論理ドライブは、
古いシステムにおける制約のために作られたものだからです。

パーティションには種類があるけど、今後はプライマリパーティションだけになっていくから、
パーティションの違いを覚える必要はないだろうと。
書いておきながら。

パーティションで分割する理由

パーティションには、役割があります。
パーティションは、ないと困る場合があるのです。

パーティションも無意味に存在しているわけではなく、必要だから設けられている場合がほとんどです。
邪魔だから削除しようというのではなく、なぜ存在しているのか、
その理由と目的を理解したうえで、パーティションを活用したほうがいいと思います。

別のドライブとして使える

パーティションで分割していれば、1つのディスクを複数のドライブに分けて使うことができます。
セットメーカーのパソコンでは、内蔵ハードディスクはパーティションで分けられ、
複数のドライブとして使えるようになっていることがほとんどです。

これは、特にリカバリの際に効力を発揮します。
「Cドライブ」をリカバリしても、「Dドライブ」の内容はそのまま維持されるからです。
従って、セットメーカーのパソコンの「Dドライブ」は、
主にデータ保存用ドライブとして使うことをおすすめします。

異なるファイルシステムを適用できる

ファイルシステムは、ドライブをフォーマットする際に決められます。
そして、異なるドライブには異なるファイルシステムを適用できます。

ということは、パーティションで分割すると、
同一ディスクでも異なるファイルシステムで運用することができます

マルチブート環境を構築できる

これは、先の異なるファイルシステムを扱えることとも関係します。
異なる環境では、ファイルシステムが違うこともよくあるからです。

マルチブートみたいな複雑な環境じゃないと思われるかもしれませんが、
最近のWindowsは、標準でこれに近い構造になっています。
たとえば、「システムで予約済み」領域がそうです。
セットメーカーパソコンのリカバリ領域も、似たようなものです。

また、UEFIブートだと、「EFIシステムパーティション」が必要です。
「EFIシステムパーティション」のファイルシステムはFAT32ですが、
WindowsがインストールされているパーティションのファイルシステムはNTFSです。
パソコンを起動する仕組みとして、複数のパーティションが必要なのです。
従って、システムディスクに関しては、パーティションが複数あるのが普通です。

必要だから複数のパーティションがあるわけで、勝手に削除していいものではありません。