パソコンでの長時間作業は、目が疲れます。
だからといって、パソコンを使わないというわけにはいかない人は多いと思います。
ここでは治療ではなく、パソコンによる疲れ目を軽減する方法を考えます。
同じ文字を読むにしても、ディスプレイと印刷物とでは、目に対する疲労感が全然違います。
もちろん、ディスプレイを見ているほうが、圧倒的に目が疲れます。
人類の歴史の中で、光るものを直視し続けるようになったのは、ごく最近のことです。
テレビのブラウン管が普及してからでしょうか。
今までずっと、自然界で目にしてきたのは太陽光の反射だったのに、光る画面を見続けるようになりました。
自然界には、自ら発光するものはほとんどありません。
進化の過程で、人間の目は光源から直接入ってくる光を見続けるようにはつくられていないはずなので、
目が疲れるのは当然なんだろうと思います。
だから逆に、疲れ目を軽減しようとするときには、このことがヒントになるはずです。
ディスプレイの明るさを落とす
ディスプレイの明るさを落として、光源から直接目に入ってくる光の量を減らすと、
それだけで目に対する刺激が減ります。
つまり、疲れにくくなります。
特にパソコンを含めたデジタル製品では、スペックに対する信仰が強いように思います。
ディスプレイの輝度も、高ければ高いほどいいみたいになってますけど、
輝度は単位面積あたりの明るさのことなので、輝度が高ければ高いほど目は疲れやすいです。
しかも、ディスプレイの初期設定では、明るさが最大になっていることが多いです。
私も家電量販店でPC周辺機器の担当をしていたのでよくわかりますが、
店頭でディスプレイの比較検討をするにはそれでよくても、常用するにはつらいものがあります。
ギラギラした画面は、一見派手なので目に留まりますが、
それが毎日続くと、くどいです。
ディスプレイの明るさを調整したことがないのであれば、一度暗くしてみたほうがいいです。
暗いと画面が見づらくなるなるんじゃないかと思われるかもしれませんが、
結構暗めの設定でも表示内容を識別できることに気づかされると思います。
ほとんどの場合、暗くて見づらくて目が疲れているのではなく、
強い光が直接目に入ることによって疲れているはずです。
「ちょっと暗いかな」ぐらいでちょうどいいんじゃないでしょうか。
配色を変える
これはかなりオススメの方法です。
疲れ目の軽減に抜群の効果があります。
突然ですが、3原色って何色でしょうか?
3原色には、「色の3原色」 と 「光の3原色」 があります。
色の3原色というのは、よく言う赤、黄、青ですね。
本当は、日本語そのままを色で表現した赤、黄、青ではなくて、
マゼンタ、イエロー(これはそのまま)、シアンです。※背景は、実際の色を表しています。
インクカートリッジに書かれていますね。
絵の具で3色混ぜると、黒ができます。
光の3原色は、赤、緑、青です。
RGB(Red Green Blue)ってよく表記されています。
画面を拡大して見ると、3色セットでいっぱい並んでいます。
光で3色合わせると、白になります。
青色発光ダイオードが注目されたのも、白を含めすべての色が表現できるようになったからですね。
何が言いたいかというと、
反射で見ている色と、発光している色とでは、色の持つ性質が異なるわけです。
これは、意識しないとなかなか気づかないことだと思います。
なんでこんなこと考えてるのって、無駄にカラーコーディネーター2級とか持ってるからです。
ディスプレイも多くの色が表現できるようになり、画面上でも印刷物と同じような色使いが増えてきました。
背景が白で、文字が黒。
でもこれってディスプレイで表現すると、白が基調なので、全力で光っている部分が多いんですよね。
光源から直接目に入ってくる光の量が多いわけです。
当然、目にかかる負担は大きくなります。
つまり、印刷物で見やすい配色が、そのまま自発光のディスプレイでも見やすいとは限らないということです。
で、たどり着いた結果が、「黒」の背景に「緑」の文字。※クリックすると、当ページの配色を変更します。
元の画面に比べると、目に飛び込んでくる光の量が少ないことがわかると思います。
これだと、本当に目が疲れないんですよ。
人間の目は、緑の光を識別しやすいようです。
太陽光で一番強いのが緑の周波数帯なので、それに適応して進化してきた結果かもしれません。
だから、黒の背景に緑で発光させると、それほど明るくなくてもコントラストがはっきりします。
昔のディスプレイは、黒と緑で表示されるものが多かったですし。
個人的にも、長時間使うエディタなんかは、すべてこの配色にしてあります。
もちろん私も、印刷物ではこんな配色は使いません。
印刷は、シアン、マゼンタ、イエローの減法混色なので、白地に黒が一番です。