復旧と復元の違い

パソコントラブルに関して

「復旧」と「復元」は、どちらも元の状態に戻すことですが、

復旧 実用性を重視
復元 同一性を重視

という違いがあります。
「復旧」と「復元」を意図的に分けて使うことがあるのは、
そのほうが都合がいい場合があるからです。

たとえば、川にかかる橋で考えます。
「橋の復旧」は、壊れた橋をかけ直して、元どおり通行できるようにすることです。
これに対して、「橋の復元」は、
歴史的価値のある橋を、当時と同じ材料、工法で、元どおり作り直すことです。
「復旧作業」とか、「復元模型」とか、大体そういう感じの意味だと思います。

パソコントラブルにおける復旧と復元の違い

パソコンの修理サポートの現場でも、「復旧」と「復元」はよく用いられる単語です。
基本的に、「復旧」と「復元」は分けて使います

パソコントラブルにおける「復旧」と「復元」は、主にデータの取り扱いの際に問題となります。
具体的には、

復旧 Aに存在したデータを、Aの場所に保存する
復元 Aに存在したデータを、Bの場所に保存する

また、冒頭の橋の例と同様に、

復旧 完全に元通りじゃなくても、使えればいい
復元 元の状態と同一であることを望む

という意味が込められています。

だから、「データの復旧」とか、「ファイルの復元」といった使い方をします。
一応、当サイトでは、このように「復旧」と「復元」を区別して使っています。