「たたけば直る。」
名言です。
個人的に昭和の名言に数えています。
昔のブラウン管のテレビは、調子が悪くなることがまあ多かったです。
「このテレビは、ここを、こうたたかないとダメ!」
なんてマジメに教育され、実際に「ボン」とたたいてみるとそれが本当にきれいに映るんです。
「テレビ直して」
というのは、
「テレビ直るまでたたいて」
ということを意味するんだと信じていた子供時代。
だからそんな暴挙を液晶画面に対してされた方がおりまして、
その画面は電源入れる前から光に照らすと染みが見えたんですね。
染みの中心には細いスジがありました。
そうです、「液晶割れ」なんです。
その時は某リモコンで殴ったように、画面が真っ二つとか、粉々に粉砕という状態ではなかったので、
液晶が割れているという認識は本人にはなかったみたいです。
液晶割れが軽微な場合には、ちょうど油がにじんだようなシミが見えます。
当然割れているので、中心付近には亀裂があります。
もう液晶パネル交換しか直す方法はありません。
割れてしまった液晶パネルはどうにも転用できないため、修理代も結構いいお値段になることが多いです。
実はマザーボード交換より高額になるケースがほとんどです。
デスクトップパソコンなら、ディスプレイだけ買い換えたほうが得策かもしれません。
どーでもいーはなし
ちなみに余談ですが、昔の家電製品は、本当にたたけば直りました。
これは当時アナログ回路が主体で、基板の構造が今とはかけ離れていたためです。
どういうことかというと、原因は「はんだ」なんです。
昔は電子部品のひとつひとつがとにかくデカく、そしてそこからまた太いリード線が出ていました。
それを広い基板にザクザク挿して、はんだ付けしてあったんです。
「はんだ」も金属なんで、時間と共に劣化します。
しまいには、「はんだ」に亀裂が入って浮いてくるんです。
するともちろん通電しなくなります。
そんな時にたたけば、“一時的に” 直るというわけです。
誤解のないように書き添えておきますが、これは当時だから通用していたことで、
デジタル製品全盛の現代において、衝撃を加えることはモノを壊すことでしかないのでご注意ください。