「Memtest86+」というソフトがあります。
本家「Memtest86」と、何が違うのか気になる人も多いでしょう。
というか、私が気になってました・・・
「Memtest86+」誕生の経緯
使い方は基本的に同じなんですが、
一時期、性能では「Memtest86+」の方が確実に上回っていました。
というのも、「Memtest86」では動作しないパソコンがあったからです。
「Memtest86」はメモリをチェックするソフトの代表格で、
非常に多くのユーザーから支持されていました。
便利な「Memtest86」だったんですが、
2002年から2年ほど、更新されない時期が続きました。
そこで問題になったのが、その後発表されたチップセットに対応できず、
「Memtest86」が動作しないパソコンが出てきたということです。
特にAMD64プラットフォームでは、当時の「Memtest86」(v3.0)はまったく動作せず、
これが「Memtest86+」開発への大きなきっかけになったようです。
「Memtest86+」は「Memtest86」をベースにバグを修正し、
新しいチップセットへの積極的な対応を行っていきました。
こうしてリリースされたのが「Memtest86+」というワケです。
本家「Memtest86」のその後
ただ本家「Memtest86」も、いつまでもそのままいるはずもなく、
2004年にAMD64プラットフォームに対応したのを始め、現在では新しいチップセットにも対応しています。
さらにv3.2からは「Memtest86+」の改良点も取り入れるようになり、
「Memtest86」と「Memtest86+」、それぞれ共存・共栄という感じになっています。
結論
現時点においては、正常動作すれば、どっちでも好きなほうを使ったらいいと思います。
でも本音を言うとやはり、「Memtest86+」のほうがいいです。
理由としては、
- 現在でも、新しいチップセットへの対応は「Memtest86+」の方が早い
- 「Memtest86+」はバージョン2.01で、テスト時間を20%短縮した
ということが挙げられます。
特に2番目の高速化による恩恵は大きいです。
ちょっと計ってみました。
こっちが「Memtest86」での1Passにかかった時間。
21分02秒。
で、こっちが「Memtest86+」での1Pass。
14分25秒。
14分25秒 / 21分02秒 = 0.685で、
実にこのテスト環境では30%以上の差になっちゃってます(汗)。
「Memtest86」自体が時間のかかるソフトですから、この改良は非常にありがたいところです。
実際にテストにかかる時間を大幅に短縮できますから、
メモリをチェックする機会の多い人は、「Memtest86+」バージョン2.01以上を使うようにしましょう。
なお、「Ultimate Boot CD」にも「Memtest86+」が収められていますが、
「Ultimate Boot CD」中のソフトのバージョンは、全体的に若干古めなので注意してください。
メモリチェックを頻繁に行う方で「Memtest86+」専用CDを作りたくない方は、
「GParted Live CD」等を利用したほうがいいと思います。
単純に更新頻度が高く、「Memtest86+」のバージョンが新しいからです。