「TestDisk」は動作不安定な記憶装置に対して実行されることが多いので、
ディスクジオメトリを誤認識してしまうことがあります。
そのままの状態で「TestDisk」を操作すると、
間違った前提でデータの編集を試みることになり、間違った情報が書き込まれてしまいます。
復旧できるはずのパーティションが、復旧できません。
「TestDisk」がディスクジオメトリを誤認識している場合は、ユーザー側で変更する必要があります。
ちなみに、この操作は「TestDisk」の動作パラメータの変更なので、
「Geometry」で値を変更したからといって、ただちに何かが書き込まれるわけではありません。
ディスクジオメトリについて
「TestDisk」で重要なディスクジオメトリは、シリンダ、ヘッド、セクタの、いわゆるCHSです。
これらの値は、「TestDisk」実行中、ほぼ常に画面に表示されています。
CHSの中で最も誤認識されやすいのは、「Heads」です。
「Sectors」は63で固定。
「Cylinders」は、総セクタ数を「Heads」と「Sectors」で割った商なので、あらゆる値を取りえます。
一方、「Heads」は記憶装置によって正しい値が異なり、
また「TestDisk」で修正対象となるブートセクタにその情報が保存されています。
「TestDisk」は、ブートセクタに異常があるから使われるソフトなので、
どうしても「Heads」が誤認識されやすくなります。
「Geometry」の変更
まず、「TestDisk」のメインメニューから、「Geometry」を選択します。
ここから、「TestDisk」動作上のディスクパラメータを変更できます。
画面に表示されているのは、現在「TestDisk」が認識しているディスクパラメータです。
ここでは、「Heads」を正規の値に変更してみます。
というわけで、「Heads」を選択します。
「Heads」の正しい値を入力します。
ほとんどの場合において、「255」です。※昔はそうでもありませんでしたが。
表示されているディスクジオメトリが変更されたことを確認して、「OK」を選択。
あとは、従来通り「TestDisk」のメニューからそれぞれの操作を行います。
以後、「TestDisk」は変更したディスクジオメトリに基づいて動作します。