パソコンの起動が非常に遅く、実質ほぼ使えない状況におちいってしまうことがあります。
昔のパソコンは慢性的にメモリ容量が不足しており、
新品の状態でも起動が遅いものが珍しくありませんでした。
特に、「Windows Vista」以前のパソコンでは、その傾向が顕著でした。
でも、近年のパソコンは使用するうえで十分なメモリを搭載しているものがほとんどです。
SSDの普及や、起動の仕組みが変わってきたこともあって、
パソコンの起動にかかる時間はどんどん短くなってきています。
ここで書いているのは、ハードウェアのスペック的に起動が遅いという話ではありません。
以前は問題なく普通に使えていたパソコンが、
起動するのに異常に長い時間がかかるようになってしまった場合についてです。
パソコンの起動に時間がかかる原因
パソコンの起動に時間がかかるのには、大きく分けて2つの原因があります。
ソフトウェアとハードウェアです。
ソフトウェアについて
まずソフトウェアから考えると、起動時の問題なので、
不必要なスタートアップアプリケーションを無効にしていけばよさそうです。
スタートアップ時に実行されるアプリケーションソフトについては、
「ファイル名を指定して実行」から、
「msconfig」(「Windows 7」以前)か、「taskmgr」(「Windows 8」以降)を実行すると確認できます。
でも実際には、必要だからスタートアップ時に実行して常駐させているわけで、
不要なものはあまりありません。
また、スタートアップアプリケーションを無効にしたところで、
状況はあまり変わらなかったりします。
というのも、アプリケーションソフトウェアではなく、
Windows自体に問題が発生している場合が多いからです。
Windowsを日々使い続けていくうちに、いたる所にゴミのようなデータが溜まっていきます。
それをきれいな元の状態に完全に戻すことは、不可能です。
リカバリ(OSの再インストール)でもしない限り。
つまり、リカバリすれば起動に時間がかかる問題は解消されます。
ハードウェアに問題がなければ。
ハードウェアについて
注意が必要なのは、ハードウェアの問題でパソコンの起動が非常に遅くなることがあるということ。
原因がハードウェアにあるので、Windows等のソフトウェア上で何をやったって無駄です。
特にその原因となりやすいものは、ハードディスクです。
具体的には、ハードディスクに不良セクタが発生すると、パソコンの起動が非常に遅くなることがあります。
※参考: HDD不良セクタの修復について - PCと解 掲示板
仕事柄、こういったパソコンを何台も預かってきましたが、明らかに異常な遅さです。
このまま使用し続けるのは困難なほど。
まずは、不良セクタの状況を調べるため、ハードディスクのSMART情報を確認したほうがいいです。
不良セクタが発生すると、その箇所においてハードディスクの読み出しに失敗します。
というか、データの読み出しに失敗するセクタが不良セクタです。
また、ファームウェア上は不良セクタと判定されていなくても、
このようなハードディスクでは、読み出しが不安定なセクタがいくつも存在しています。
ハードディスクは、セクタの読み出しに失敗すると、再びそのセクタを読み出そうとします。
不良セクタや読み出しが不安定なセクタが多数存在すると、何度も何度も読み出しを繰り返すため、
ハードディスク内のデータを読み込むのに、非常に時間がかかるようになります。
結果、パソコンとしての起動にも時間がかかるようになります。
このような場合、根本的には、ハードディスクを交換する必要があります。
ただ、ハードディスク内のデータは必要なケースが多く、
また、現に読み出しに失敗する箇所のあるハードディスクであることから、
通常とは異なる措置が求められます。
具体的にどうすべきかについては、下記ページにまとめてあります。