「Windows PE」とは何か

CDから起動するWindows

「Windows PE」は、緊急時に用いるWindows環境として重宝します。
たとえば、ハードディスクからWindowsが起動しなくても、
CDから「Windows PE」を起動して復旧を試みることができます。

ただし、注意しなければならないのは、
Microsoftから「Windows PE」という形で一般に配布されているものではないということです。
「Windows PE」のダウンロードページを探しても、どこにもありません。

本来、「Windows PE」はWindowsのインストールが完了するまでの環境を提供するのが主目的なので、
Microsoftとして、「Windows PE」だけを一般ユーザーに配布する必要がないのです。

「Windows PE」とは何か

「Windows PE」は、「Windows Preinstallation Environment」の略で、
そのまま日本語に訳して、Windowsをインストールするための環境のことです。
だから、Windowsをインストールしたことがある人は、すでに「Windows PE」を使ったことがある、
ということになります。
Windowsのインストールディスクを入れて、そのDVDから起動したら、「Windows PE」が起動するからです。

「Windows PE」は、1枚のCD/DVDから起動できるWindowsのようなものです。
「のようなもの」というのは、普段使っているWindowsとまったく同じものを想像されると、違いますので。

具体的には、こんな感じです。

早い話が、「Windows PE」はWindowsのライブCDです。
ライブCDというと、「KNOPPIX」や「Ubuntu」のようなLinuxベースのものが有名です。
これらは比較的古くからあり、機能も豊富ですが、あくまでもLinuxです。
Windowsとは根本的に異なります。

「Windows PE」最大のメリットは、Windowsであること、これに尽きます。
たとえば、NTFSの修復ができるのはWindowsだけです。
レジストリに関する操作も、Windowsじゃないとできません。
Windowsのエラーは、Windowsによってしか修正できないことも多いのです。

「Windows PE」起動ディスクは配布されていない

冒頭にも書いたとおり、「Windows PE」は、それ単体で配布されているものではありません。
LinuxのライブCDのように、ISOイメージファイルで配布されているわけではないのです。

「Windows PE」起動ディスクが欲しい場合には、ユーザー側で作成する必要があります。
そのためのツールは、「Windows AIK」(Windows自動インストールキット)としてMicrosoftより配布されています。

ダウンロードページ 「Windows Vista」用「Windows AIK」
「Windows 7」用「Windows AIK」
「Windows 7 SP1」用「Windows AIK」補足プログラム

でも、この「Windows AIK」から「Windows PE」起動ディスクを作成する手順というのが、ややこしくて面倒なんです。
そこで、これらの操作を全自動で行ってくれる「WinPe-tch Direct」というソフトがあります。
詳細は下記ページにて。

「WinPe-tch Direct」の使い方

「WinPe-tch Direct」は、「Windows AIK」を基に、「Windows PE」起動ディスクを自動で作成します。
必要となる「Windows AIK」でさえ、自動でダウンロードしてしまいます。
ごく簡単な操作で、「Windows PE」起動ディスクが作れるようになっています。