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フォーマットしたら、すべてのデータが消えるわけではありません。
フォーマットしても、ファイルは復元できます。
しかも、ほとんどのファイルが復元できます。
フォーマットによって上書きされるデータは、それほど多くないからです。
ただし、クイックフォーマットと、「Windows XP」以前のフォーマットに限ります。
「Windows Vista」以降の通常のフォーマットは仕様が変わり、
対象領域にゼロを書き込むようになったので、ファイルも復元できません。
スマホ、デジカメ、ゲーム機等によるフォーマットでも、
ファイルは復元できると考えていいです。
これらの機器によるフォーマットは、基本的にクイックフォーマットと同じだからです。
そもそもフォーマットは、データを消去するためのものではありません。
これは、フォーマットの際にデータ消去の警告が表示されるために生じた誤解だと思います。
フォーマットすると、見かけ上のデータは消えますが、
フォーマットの目的はデータの消去ではありません。
ただし、フォーマットするというのは、新たにファイルシステムを適用することを意味するので、
一部のデータは消去されます。
フォーマットした後、完全に元の状態に戻すことはできません。
しかし、大部分の領域にはデータの変更がないため、
フォーマット直後であれば、回収できるデータは多いです。
これらは、ファイルという形で復元可能です。
フォーマットによって上書きされるデータ
フォーマットは、ハードディスク等の記憶装置に必要なデータを書き込むことによって行われます。
つまり、上書きされるデータがあります。
フォーマットによって、必ずしもデータが完全に消去されるわけではありませんが、
データがまったく消去されないわけではありません。
以下、上書きされるデータです。
- ブートセクタ
- ファイルシステムの管理情報
復旧を考える場合には、ファイルシステムの管理情報の上書きが致命的です。
フォーマットは、ファイルシステムを初期化する作業なので、
ファイルが何もない状態の管理情報を作成、上書きします。
管理情報が上書きされてしまっても、ファイルのデータが上書きされていなければ、
各種ファイル復元ソフトを利用してファイルを復元できますが、
ファイルシステムによっては、管理情報にもファイルのデータが含まれているため、
一部のファイルの復元は不可能になります。
また、パーティションの復旧についてはより深刻で、
フォーマットした後、フォーマット前の状態に戻すことはできません。
フォーマットによって、パーティションを復旧するために必要な情報がすべて上書きされてしまうからです。
そもそも、それらを新たに書き直す作業がフォーマットなので。
パーティションを復旧したいのであれば、フォーマットは厳禁です。
フォーマット後の復旧可能性
逆に、上記以外の上書きされていないデータについては復元できます。
ファイルシステムの管理情報は、ファイルが存在しない最小限の状態で上書きされているだけです。
記憶装置内のほとんどの領域は上書きされていません。
このため、多くのファイルは復元可能です。
ただし、ファイルを復元するには、それなりのソフトを使う必要があります。
ほとんどの無料のソフトでは、フォーマット後にファイルを復元することはできません。
現在のファイルシステムの管理情報を見に行くからです。
ところが、そこはすでに上書きされているという。
「ファイナルデータ」のように、現在のファイルシステムを無視してファイルを抽出することができれば、
記憶装置に残っているデータからファイルを復元することができます。
ダウンロードページ | ファイナルデータ |
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当サイト内解説 | 「ファイナルデータ」の使い方 |
ごみ箱から削除したファイルを復元することに比べれば、
上書きされている部分があるため、すべて復元可能なわけではなく、困難な作業になりますが、
復元が不可能なわけではありません。
むしろ、かなりのファイルは復元できることを理解しておくべきだと思います。
ただし、フォーマットによって、
ファイルシステムに関する重要な部分をリセットしたうえで上書きしているため、
完全に元の状態に戻すことはできません。
つまり、ファイルという局所的な復元はできるかもしれませんが、
パーティション全体の復旧はできません。
以上をまとめると、
- ファイルは復元できるかもしれない
- パーティションの復旧は不可能
ということです。
データを完全に消去するには
データを完全に消去したいのであれば、冒頭にも書いたように、
Vista以降のWindowsで通常のフォーマットを実行するのが手っ取り早いです。
いわゆる、クイックフォーマットではないフォーマットです。
もちろん、「Windows 10」の通常のフォーマットでも、データは完全に消去されます。
「Windows Vista」以降の通常のフォーマットは、対象領域にゼロを書き込むため、
高機能なファイル復元ソフトを使ってもファイルを復元できなくなります。
先の「ファイナルデータ」を使って実験してみましたが、
通常のフォーマットを実行した後では、ファイルはひとつも検出できませんでした。
昔のWindowsは、データ消去用のソフトウェアを使わない限り、
記憶装置に以前のデータが残っている可能性が高い仕様でした。
このため、データ消去用ソフトに一定の需要がありましたが、
今日では、そのような心配をする必要もないと思います。
つまり、通常のフォーマットを実行すれば、ついでにデータも消去されると。
ただし、繰り返しになりますが、Vista以降のWindowsに限ります。
他のハードウェアやツールに関しては、すべて確認しているわけではないのでわかりません。
基本的には、千差万別だと思います。
もし不安であれば、Windowsから通常のフォーマットを実行したらいいと思います。