フォーマットとは、形式、書式のことです。
決められた書類の雛形のこともフォーマットと言いますが、
パソコン用語のフォーマットもそこから派生したもので、形式を当てはめることを言います。
パソコン用語のフォーマットは、主としてディスクフォーマットを指します。
ハードディスクのフォーマット、USBメモリのフォーマット、SDカードのフォーマット、
すべてディスクフォーマットです。
記憶装置であるディスクを対象にフォーマットを行うので、ディスクフォーマットと呼びます。
ディスクフォーマットとは何か
ディスクフォーマットとは、記憶装置をデータの保存先として使うための作業です。
データの保存形式を定めるものです。
より具体的には、物理フォーマットと論理フォーマットに分けられます。
ディスクフォーマットをしていない記憶装置は、データの保存先として使えません。
物理フォーマット
物理フォーマットとは、記憶装置を記憶装置として使うためのフォーマットです。
データを保存する基となるデータを、記憶媒体に書き込みます。
具体的には、セクタを定義します。
最近の記憶装置は、すべて物理フォーマット済みの状態で出荷されています。
従って、ユーザーが物理フォーマットについて意識することはほとんどありません。
物理フォーマットの詳細については、下記ページ参照。
論理フォーマット
論理フォーマットとは、記憶装置の領域にファイルシステムを適用することです。
ユーザーができるフォーマットは、論理フォーマットしかありません。
形式そのものではなく、形式の適用を意味する点には注意が必要です。
「エクスプローラー」や「ディスクの管理」から行うフォーマットも、論理フォーマットです。
クイックフォーマットも、論理フォーマットの一種です。
ほとんどの記憶装置は、論理フォーマット済みの状態で販売されています。※内蔵ハードディスク/SSDを除く。
このため、買った後すぐに使うことができます。
論理フォーマットの詳細については、同様に下記ページ参照。
「フォーマット」=「ファイルシステム」ではない
誤解されていることが多いですが、「フォーマット」=「ファイルシステム」ではありません。
たとえば、「フォーマットはNTFS」というのは誤用です。
正しくは、「ファイルシステムはNTFS」です。
もしくは、「NTFSでフォーマット」。
こっちはちょっと意味が変わりますけど。
NTFSやFAT32、exFAT等は、ファイルシステムの種類です。
フォーマットは、ファイルシステムを適用する作業のことです。
混同しないように。
フォーマットする意味
パソコン、スマホ、デジカメ等、記憶装置を使うデバイスにとって、
フォーマットは欠かせない作業です。
従って、記憶装置を扱うデバイスには、必ずフォーマットする機能があります。
ファイル操作するため
フォーマットする第一の目的は、ファイル操作するためです。
フォーマットしなければ、ファイルを保存できません。
ファイル操作するためにはファイルシステムを適用する必要があり、
そのために必要な作業がフォーマットです。
ファイルとして何かを保存する以上、ファイルシステムのお世話にならなければなりません。
たとえば、ハードディスクに何かのデータを保存するとき、
どこからどこまでの領域に何を保存しているのか、いちいち考えている人はいないと思います。
これは、ファイルシステムによって、そんなことを考えなくてもいいようになっているからです。
ファイルシステムの変更
ファイルシステムを変更する際も、基本的にはフォーマットする必要があります。
フォーマットの際に、ファイルシステムを決定するので。
基本的にと書いたのは、
ファイルやフォルダを維持したままファイルシステムを変更するコンバータもあるからです。
たとえば、Windowsだと「convert」コマンドを使うことで、
ファイルシステムをFAT系からNTFSに変更することができます。
ただし、コンバータによるファイルシステムの変更は、危険性が高いのでおすすめしません。
ユーザーから見えるファイルやフォルダ構造には変化が見られなくても、
データは大幅な変更を必要とするからです。
このデータの変更は、ファイルシステムに関する、根本的なものです。
しかも一発勝負なので、かなりリスクは高いです。
多少面倒でも、ファイルシステムを変更する場合は、
すべてのファイルを一旦別のドライブに移してから、フォーマットすることをおすすめします。
既存の記憶装置を新たな製品で使用する際に、フォーマットを求められることもありますが、
これもファイルシステムが適合しないから、使用機器に合わせてフォーマットしようというのがほとんどです。
ファイルシステムのリセット
ファイルシステムをリセットしたいときも、フォーマットします。
この場合は、同じファイルシステムを同じ設定で適用することになります。
ハードウェアとしての記憶装置が正常であれば、
ソフトウェア上は新品と同じ状態で使い始めることができます。
これにより、従来のファイルシステムで発生していた問題が払拭されることがあります。