「システムの復元」とは、システムを過去の状態に戻すWindowsの機能です。
これは、レジストリを過去の状態に戻すことと、ほぼ同義です。
Windowsに関する設定が復元されます。
この過程で、システムに関するファイルも元に戻されます。
ただし、ファイルの復元は完全ではありません。
復元されるのは、システムに関する一部のファイルのみです。
プログラムやドライバのインストール等、システムに大きな変更を加えると、
まれにWindowsが不安定になってしまうことがあります。
通常の操作では元に戻すことができない場合でも、
システムの復元を使うと、高い確率でWindowsを復旧できます。
文字通り、復元するのはシステムのみなので、
「ドキュメント」等に保存されているユーザーのデータには影響しません。
逆に言うと、システムの復元は、ユーザーのデータを復元する目的では使えません。
システムの復元の機能は強力ですが、
システムの状態がまとめて元に戻されます。
アンインストールのように、特定の項目だけを削除することはできません。
「システムの復元」の問題点
システムの復元を実行すると、
Windowsの設定が保存されているレジストリの情報と、
実際のファイルの存在が、一致しなくなります。
これは、多かれ少なかれ、確実にそうなります。
たとえば、プログラムをインストールしたタイミングでWindowsの動きがおかしくなり、
それより前の復元ポイントを使ってシステムの復元を実行した場合は、
レジストリからプログラムをインストールした情報が消えます。
プログラムファイルも消えますが、実は一部のファイルは残ったままです。
つまり、システムの復元で元に戻すのと、
プログラムをアンインストールして元に戻すのとでは、
状況が違ってくるのです。
これがアンインストールの前後だと、さらに状況が悪くなります。
Windows上はプログラムがあることになっていますが、
実際のプログラムファイルは欠損しています。
このため、正常動作しなかったり、アンインストールできなくなったりします。
古い日付の復元ポイントを使ってシステムの復元をしたり、
何度もシステムの復元を実行している場合は、
こうした現象が複合的に起きています。
Windowsのシステムの中で、いろいろとつじつまが合わなくなります。
状況が悪化して、Windows自体の動作にも支障をきたすようになると、
Windowsの再インストール以外、手の打ちようがなくなってしまいます。
通常、システムの復元は、後で取り消すことができます。
システムの復元を行った結果、動作がおかしかった場合は、元に戻せるのです。
ただし、Windows回復環境やセーフモードからシステムの復元を実行した場合は、
取り消しができません。
Windowsがおかしくなったから、とりあえずシステムの復元を実行する、
といった安易な考えはやめたほうがいいです。
システムの復元は便利で強力ですが、だからこそ最終手段として使うべきだと思います。