「システムの復元」が招くトラブル

状況を悪化させてしまう場合がある

「Windows XP」になって、機能が強化された「システムの復元」
ともすると乱用しがちな「システムの復元」ですが、
安易に実行すると、かえってトラブルを招いてしまうことがあります。

個人的には、「システムの復元」の機能が誤解されているような気がしてなりません。
誰でもわかりやすいように、「システムの復元」という名前にしたのだと思いますが、
これは、システムを完全に元の状態に戻してくれるものではありません。

ひどい例だと、
ファイルを間違えて削除してしまったから、「システムの復元」をした
なんていう、意味不明な行動に走る人まで出ています。※実話。

内容のよくわからないものを実行することほど、危険なことはありません
それは、「システムの復元」についても同じです。

「システムの復元」で復元されるもの

「システムの復元」で復元される代表的なものは、レジストリです。
その他には、ユーザープロファイルや、一部のシステムファイルも復元されます。
つまり、基本的にはWindowsに関する設定が復元されると思っておいたほうがいいです。

ちょっと意外なものとしては、
Windowsにインストールされているアプリケーションプログラムも、一部復元されます
一部ってところがミソで、完全ではありません
指定された拡張子のものだけが復元されます。

マイドキュメントの中身や、お気に入りは復元されません。
メールの送受信データについても同様です。
逆にこれらが復元されないことにより、「システムの復元」が使いやすくなっているともいえます。

バックアップソフトだと、丸ごと完全にその日のデータに戻してしまいますから、
Windowsの設定はもちろん、ユーザー側で作成したデータまでもすっかり元に戻ってしまいます。
データはそのまま置いといて、Windowsの設定だけ元に戻したいような場合は、
「システムの復元」は非常に有効な手段です。

しかし、だからといって「システムの復元」を乱用するのは、
トラブルを招いているのと同じようなものなのです。

「システムの復元」が抱える問題

「システムの復元」は便利なので、
ちょっとパソコンの動作がおかしくなったりすると、簡単に使ってしまいがちです。
でも、パソコントラブルの修復という観点からは、
「システムの復元」は最終手段にしたほうがいいです。

理由を以下にまとめます。

レジストリとファイルの整合性がとれなくなる

個人的に、「システムの復元」を安易におすすめしない、最大の理由です。

「システムの復元」を実行すると、
Windowsの設定が保存されているレジストリの情報と、
実際のプログラムファイルの存在が一致しなくなります

これは、多かれ少なかれ、ほぼ確実にそうなります。

たとえば、プログラムをインストールしたタイミングでWindowsの動きがおかしくなり、
それより前のデータを使って「システムの復元」を実行した場合は、
レジストリからプログラムをインストールした情報が消えます。
前述のように、プログラムファイルも部分的に消えます。
ところが、一部のファイルは残ったままです。

つまり、「システムの復元」で元に戻すのと、
プログラムをアンインストールして元に戻すのとでは、
状況が違ってくる
ということです。

これがアンインストールの前後だと、さらにわけが悪くなります。
Windows的にはプログラムがあることになっているんですが、
実際のプログラムファイルは一部欠損しています。
だから、正常動作しなくなったり、アンインストールできなくなったりするのです。

古い日付のデータを使って「システムの復元」をしたり、
何度も「システムの復元」を実行している場合は、
こうした現象が複合的に起こってきます
Windowsの中で、いろいろとつじつまが合わなくなります。

さらに状況が悪化して、Windows自体の動作にも支障をきたすようになると、
もう再インストール以外、手の打ちようがなくなってしまいます。

やり直しできない場合がある

やり直しできる場合 やり直しできない場合

基本的に、「システムの復元」はやり直しができます。
「システムの復元」をした結果、動作がおかしかった場合は、元に戻せるのです。
ただし、セーフモードから「システムの復元」を実行した場合は、やり直しができません

特に、セーフモードでしか起動できないパソコンの場合、
すぐ「システムの復元」を実行したい、という気持ちはわかります。
でも今一度、できることは他にもう何もないのか、考えてみるべきだと思います。

パソコントラブルの対処をしようとする際に、
やり直しのきかない操作から実行するのは、明らかに間違っています。

確実に言えることは、
Windowsがおかしくなったら、とりあえず「システムの復元」を実行
というような考えは、捨てたほうがいい
ということです。

まずすべきことは、
「なぜおかしくなってしまったのか」という原因を考え、突き止めることです。
それは他人任せではダメで、
パソコンを使っている本人が持っている、数多くのヒントの中から見つけ出すものです。
「システムの復元」は、その原因を取り除く手段のうちの、たった1つでしかありません。